「遺言書」と聞くと、財産の分け方を決める“お金の話”というイメージを持つ方が多いかもしれません。
しかし、実際には“家族への感謝の言葉”や“これからの願い”を残すことで、相続後のトラブルを防ぎ、家族の心をつなぐ大切な役割を果たします。
この記事では、行政書士として相続相談を受けてきた立場から、遺言書で「想い」を伝えるためのポイントを解説します。


1.遺言書の基本と民法上の位置づけ

遺言書は、民法に基づいて本人の最終意思を示す大切な法律文書です。

民法第960条(遺言の方式)
遺言は、この章に定める方式に従わなければ、その効力を生じない。

形式に不備があると、せっかくの遺言も「無効」となってしまう可能性があります。
だからこそ、形式の正確さ心のこもった内容の両立が大切です。


2.「付言事項」で想いを伝える

遺言書の中で、感謝や想いを自由に書ける部分が「付言事項(ふげんじこう)」です。
民法に明確な規定はありませんが、実務上は法的拘束力を持たない自由記載欄として扱われています。

たとえば、次のように書くことで、家族への想いをしっかり残せます。

長男〇〇には実家を相続させます。
長年家を守り続けてくれた感謝の気持ちです。
これからも家族仲良く助け合って暮らしていってください。

このように理由や背景を書くことで、「なぜそう分けたのか」が伝わり、相続トラブルを防ぐ効果があります。


3.財産の分け方を定めるときの注意点

民法第964条(遺言の効力)
遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる。

遺言の内容は本人の死後に初めて効力を持つため、「書いて終わり」ではありません。
家族構成や財産の変化に応じて、定期的な見直しを行いましょう。


4.形式の違いにも注意(自筆証書 vs 公正証書)

民法第968条(自筆証書遺言)
自筆証書によって遺言をするには、遺言者がその全文、日付及び氏名を自書し、これに押印しなければならない。

遺言の形式には「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」があります。それぞれにメリット・デメリットがあります。

種類 作成方法 保管方法 メリット デメリット
自筆証書遺言 すべて本人の手書き 自宅または法務局 費用がかからない 無効になるリスクがある
公正証書遺言 公証役場で作成 公証役場で保管 安全で確実 作成費用がかかる

どちらを選ぶかは、家族構成・財産の内容・想いの伝え方によって異なります。行政書士に相談すると安心です。


5.成田市でも増える「想いを伝える遺言」

近年、成田市でも「家族に感謝を伝える遺言」を作る方が増えています。
特に以下のような方からの相談が多い傾向です。

  • 子どもが県外に住んでいる
  • 一人暮らしの高齢者
  • 相続トラブルを経験した家族

行政書士として、法律的に有効で、心の伝わる遺言書を一緒に作成するお手伝いをしています。


まとめ

遺言書は「財産の書類」であると同時に、「家族への手紙」でもあります。
民法に基づいた正しい形式で、あなたの想いをしっかり残しましょう。

成田市周辺で遺言書の作成や相続のご相談をご希望の方は、
お気軽に行政書士三浦大空事務所までご相談ください。


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